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黒執事考察 ③

これより、黒執事2期の最終補完作業を開始するっ!!!

どうも、リュウです。ついにここまで来てしまったか・・・・
このブログを立ち上げた理由が、黒執事の2期にハマってからというもの、アロイスとクロードに関する妄想が頭の中で膨張し続け、一人で抱え込んでいるのが辛抱たまらなくなったからなのですが、今回の記事でメインの解釈については一通り自分なりの答えと言うか、形にすることが出来そうです。

といいつつ、また補完の補完だー!と言い出す可能性もありますが(笑)

だって仕方ないじゃないか!!旦那様が魅力的すぎるんだもの!!
アロイスというキャラクターは、本当に存在そのものが衝撃的でした。私の場合、好きなキャラについては、いつも「この子はこういう子なんだ」「ここがこうであるから好きなんだ」という自分のなかでのイメージをかなりはっきりと定めてかかるタイプなんですが、アロイスについては、未だにその「像」を掴みきれずにいます。
というより、掴もうとすると全く逆の側面が浮かび上がってくるといいますか。
二面性、矛盾、両極性。言葉にするのは簡単ですが、それをこうまで完璧に、かつ不安定に表すことってなかなか出来るもんじゃありませんよ。本当、奇跡のバランスで成り立っていると思います。

最初は、旦那様がすきすぎて、そして旦那様の辿った結末が悲しすぎて、すでに完結してしまった後に旦那様を知った自分のタイミングの悪さが無念すぎて、ちらりと「アニメ3期やらないか」「いっそ原作に何らかの形で、パラレル世界のキャラとして登場してくれないか」などと願ったこともありました。

しかし、今はやはり、この不安定で矛盾していて醜くも美しく、穢れながらに清らかなアロイス・トランシーという魂は、あの限られた1クールのアニメのなかでこそ実現なし得た、儚くも華やかな刹那の永遠だったのだと感じています。大変どうでもいいことですが、リュウが黒執事のなかで個人的に最も親近感を抱くキャラはドルイット子爵です。7話で美少年達の決闘シーンに出くわした彼の反応なんてもろにシンクロしてましたからね。基本は美少女の方が好物だけど、美しいなら何でも許せちゃうむしろ神を許しちゃう、なところなんかまさしくお前は俺かですよ(※暴言)
ともかく、あの悲劇的な8話、復活の10話、嘆きの11話、ようやく辿り着いた最終回があって、アロイスはアロイス足りえたのだと今は声を大にして主張できます・・・!!

アロたん大好きだアロたん!!!ああもう大好きだよー!!

あ、そんなアロたんを裏切りやがったクロード氏は別にどうでもいいわこんちくしょう。
・・・・・なんてことはありませんので、どうぞご安心(?)くださいませ。
主従はそろって初めて真価を発するもの。アロイスがあれほどすばらしくアロイスとして成り立ったのは、やはりこの変態で美声で冷徹で残酷で変態な執事、クロードが傍にいたからこそですよ。
というわけで、これ以上前置きが長くならないうちに、2期主従の考察補足に入らせていただきますね。

追記以下、例によってネタバレ満載&「昼を夜に、砂糖を塩に」レベルで無茶苦茶な身勝手な解釈が展開されております。また、その裏づけと称してネットの海のあちこちから拾い上げた情報(例:声優さんのインタビュー)も都合のいいところだけ取り上げていたりしますので、そんなリュウの暴走に付き合ってもいいという寛大な淑女の皆様のみ、追記以下へお進みください。






<僕がトランシー主従を愛でる単純にして絶対的な理由と根拠>

トランシー主従の関係性の憎らしいところは、解釈の可能性すらも「隣り合わせ」の矛盾を孕んでいるところです。
即ち、①クロードはあくまで極上の魂の持ち主であるシエルぼったんが欲しかっただけでアロイスはどうでも良かった。というニ期主従ファン号泣の真実か、②・・・と見せかけてクロードは不器用な余りに勢いあまっちゃっただけで実は旦那様激ラブでした。いっそ鬱陶しいまでの両方想いでした。というやっぱり二期ファン号泣(※感涙で)の真相かという、正しくデッド・オア・ヘブンの究極の二者択一。(どっちも死ぬじゃねぇか)

はっきり言って、7話の決闘でシエルの血を舐めてその極上の味を知ったクロードが、8話で旦那様から「それを口にしたらいよいよクロードにとっての自分の価値は無くなる」と知っていたにもかかわらず(ここがアロイスが単純に愛に飢えたわがままなだけのキャラクターではないところ)命がけの告白をした旦那様を殺害し、主のの心身を守り慈しむ執事の分際でありながら殺害し、9話で少しはしたない表現を用いるなら「シエルたんはぁはぁ」って感じの浮かれぶりで策略を練り上げたり親父ギャグ飛ばしたりして、10話でもやっぱり「シエルたん最高!高貴な魂超最高!!」とばかりに変態性を発揮していたら奇跡の復活を果たした旦那様を前にいきなりテンションがダウンしてそれまでの奇行がなかったかのように平然と冷徹でカッコイイ悪魔の顔を取り戻し、11話でシエルの魂と身体を人質にとられても、嘘でもいいのに絶対に旦那様への愛を口にしようとせず、12話最終回の最期の最期でセバスチャンの突っ込みで「ふ、ふん、別にあんなやつシエルたんに比べればぜんっぜん価値なんて無いけど!ちょっとは食べてあげてもよかったかもしれない・・・なんてね!」というお前ここまで来て最大限のデレがそれなのかよ!!もっと旦那様への思いとか想いとかぶちまけろよぉおおおお!!何穏やかな顔で一人安らかに死にさらしてんじゃぁああああ!!!!
という結末に至る、アニメ本編の流れを素直に捉えるならば、解釈は①とするのが自然です。
ほんと、リアルタイムで2期主従の行方を見守っていた人は大変だったと思いますよ。前情報を知って十分に覚悟をした上で追いかけた私だって心が折れそうになりましたもの。旦那様が予想をはるかに越えて愛おしい存在だったおかげで、何とか最期まで持ちこたえることが出来ましたが・・・

しかし、そんなファンの視点を抜きにしても、①の解釈を正当なものとして認めるには些か疑問が残ります。
余りにも、自然すぎてしまうという点で。
既に一度完結してしまった「アニメ黒執事」の時間を再び動かすために生まれたのが2期の主従。
彼らの誕生から、第1話のお披露目にいたるまでには実に様々な困難があったことが、原作者様ブログでも明かされています。何気に、私が2期の主従に興味を持った最大のポイントがそこだったり。
色々な意味で「完成された」1期の主従に対抗するために生まれたオリジナルの2期主従、特に旦那様は(※贔屓)実際に登場したのはわずか7回(内2回はシエルの姿)でありながら、強烈な印象を齎したすんばらしいキャラクターでした。
高潔なまでに破滅を選択するシエルというキャラクターに対比する形での、「矛盾」を内包した魂。
この「矛盾」「隣り合わせ」がトランシー主従の代名詞として設定されている以上、アニメを見たまま素直に解釈する①はやはりおかしいといわざるを得ません。相反する要素を見出せませんからね。

旦那様アロイスに忠誠を誓っていたクロードが裏切りに走るという流れを示しているとも考えられなくもありあませんが、 2期主従がラブラブなところなんて8話以前にも存在しません。 クロードが大好きな旦那様と、そんな旦那様の戯れをことごとく冷徹なまなざしでスルーする似非クールな執事がいるばかり。2期の主従が1期の主従に比べると不安定で、脆い関係であることは、2期アニメの最初の内から示されていました。

つまり、アロイスとクロードが「矛盾」を掲げた黒執事主従であるという設定上の大前提を成立させるためには、アニメ本編の離れていく一方だった二人の関係性の根底に、それとは真逆の激しく求め合う隠された感情のせめぎあいがあったのだという解釈②こそが、ふさわしいといえるのです!!!

散々釣りだ大嘘だ本編の展開と矛盾してると嘆かれたというトランシー版OPの、あの繋がっては離れて指先だけで留めて絡まってまた離れる手に、そんな2期主従に込められた意図が象徴されているような気がしてなりません。あのOPはシエル&セバスチャンの1期主従を除いた、完全に2期主従のためだけに作成されたものですし。
あの手はほんとヤバイですよ。何がヤバイって、通常の再生速度で流すと旦那様(の手)だけが必死につなぎ止めようとクロード(の手)に絡みついているように見えるのに、コマ送りにすると、最期は離れようとする旦那様の手をとどめようとぎりぎりまで指先を突き立てているのが明らかにクロードであることが。
個人的に、トランシーOPは8話までの展開を表した内容だと推測しております。放映中に流されたのが1話と8話だけだったというのもありますが、旦那様とクロードの指が離れてしまうことや、OPの最期が紅茶のなかに沈められた紅い指輪とはずされた執事の手袋であることが、旦那様を殺害して執事としての立場を放棄し、その魂が入った指輪を紅い紅茶缶に閉じ込める8話の結末をしめしているとしか思えません。

それなのに、縋り付く旦那様を「下種な魂」とまで言い捨てて殺したはずのクロードが(※根に持ってる)、何故離れようとしている手に必死に指先を突き立てて抗っているのか・・・・!!
これって、殺害したこと=旦那様を引き止めるためってことでよくないですか。良いですよね!?

とまぁ、以上の根拠(仮)により、当ブログでは、「トランシー主従には愛があった&それがこの上なくややこしいすれ違い方をしたのがアニメ2期の真相」だったという仮定のもとで、この先の考察を進めていきたいと思います!!

<色で見る黒執事Ⅱ>

前々回、薔薇に見る黒執事Ⅱと題し、「紅薔薇はクロードの旦那様に対する執着、あるいはクロードが旦那様に求めた愛情の形」であり、旦那様の瞳の色でもある「薄青色のブルーベル」は永遠を示しているという解釈を展開させていただきましたが、今回はもう少し範囲を広げ、それらの薔薇を彩っていた「色」そのものに着目して黒執事Ⅱの世界を読み解いていきたいと思います。

愛情と単純に断定してしまったものの、クロードが旦那様に対して抱いた「紅」に象徴される思いとは、一体何だったのか。何故、クロードは旦那様を殺さなければならなかったのか。何故、旦那様はクロードの求める魂足りえなかったのか。

【1.クロードの最期】

クロードは、死の間際になるまで、全力で旦那様を否定し続けていました。
薔薇迷宮で偽りでもいいからと求められた愛の言葉は「何があってもその願いだけは叶えないと誓おう」とばっさり切り捨てましたし、セバスチャンに悪魔の剣でわき腹をぶっすりと突き刺されたときも、息絶えそうになりながらまず口にしたのはシエル坊ちゃんの魂に対する未練でした。
心底あきれ返ったような表情のセバスチャンに「貴方はずっとあの少年に支配されていたのですよ」と指摘されても、特に動揺することもなく、「まぁ確かに今死に掛けているのはアロイスのせいだし、そこまで悪魔である自分を追い詰めたあれの魂も、食っとく価値はあったのかもね(※意訳)」と、お前結局旦那様認めたのか認めてないのかどっちなんだ!?いっそ本当は愛していましたぐらい言えよ!!と胸倉掴んで揺さぶってやりたくなったほどあっさりとした反応を返したのみ。
アロイスのことは意識の端にも上らないほどどうでも良かったのか、と、旦那様ラブのリュウは本気で涙しかけたのですが、その後、クロードが残した最後の台詞に全部持ってかれることになりました。

「情熱を不実に、偽りを真実に、野良犬を伯爵に・・・・これぞア・・・・・・・の執事」

この~を~に、はセバスチャンの「ファントムハイヴの執事たるもの~」「あくまで執事ですから★」に該当する、クロードの決め台詞。悪魔でありながら執事として主に仕えたクロードの在り方を象徴するものです。
大事なのは3番目。
「野良犬を伯爵に」は、紛れもなく、薄汚れた男娼の身からトランシー伯爵に上り詰めたアロイスのこと。誰の執事か、というところをぼかす辺りが憎らしい限りですが、悪魔としての生が終わる寸前、最期のその瞬間に、クロードがアロイスのことを思い、アロイスの執事である自分を象徴する言葉を口にしたことは間違いありません。このことに、単なる事実以上の大きな意味があるのだと思います。

悪魔であるクロードは、9話10話のシエル坊ちゃんに対する偏執ぶりを見ても明らかなように、ひっじょうに傲慢と言うか、我欲の強い性格をしています。まぁ悪魔だから当然ですが。
「一度契約をしたら、私だったら絶対に手放すようなことはしない」と本人が口にしていたとおり、自分の欲しいものは何がなんでも手にいれる、自分の望みに反することは絶対にしないのが恐らく悪魔である彼の姿。彼の中の人である某声優さんはそんなクロードのことを「彼は一見ぶれぶれのようにみえるけど、実はまったくぶれていない」と評しています。
つまり、薔薇迷宮でアロイスを否定した冷酷な言葉も、死の間際にアロイスに捧げた執事としての言葉も、その場の勢いや、死を前にしたことによる諦めなどではなく、どちらもクロードの本心から出たものである、ということになります。

クロードは、旦那様を厭う思いと、旦那様への忠誠を同時に持ち合わせていた。
視の間際に後者を認めたのは、死なない限り取り払うことの出来ない境界が、旦那様とクロードの間にはあったということではないでしょうか。

【2.悪魔の糧】

恐らく、セバスチャン同様、悪魔としては最上位レベルの存在であろうクロードは、不可能を可能にする力を持っています(昼を夜に、砂糖を塩に~の決めゼリフより)。
そんな彼にどうにもならない物があるとしたら、それは、不可能を可能にする力の所以である彼自身。即ち、彼があくまで悪魔であるという点くらいですよね。 
では、悪魔とは一体何なのか。

悪魔との契約は、人間にとっては一瞬のために永遠を差し出すような行為です。
黒執事世界では具体的にどうなるか描かれていませんが、伝承によれば、悪魔に喰われた魂は地獄に未来永劫繋ぎとめられるのだとか。
悪魔によって齎されるのは、人が生きている間の奇跡と絶対でしかないのに、随分と代償がデカイような気がしますよね。まぁ普通の人間には絶対、それこそ未来永劫得ることの出来ない力を望み、あまつさえその力で周囲の世界に干渉するとなれば、相応の代償なのかもしれませんが。
しかし、逆にこう考えることも可能です。
「永遠を捨ててでも刹那を求める人の意思」
それこそが、世界に否定されて存在し続ける悪魔を生かす力になっている、と。

繰り返しますが、普通に考えたら、悪魔との契約は、最初から人間にとって割の合わない取引です。幸せな結末は決してあり得ない。だからこそ悪魔は、人間の欲望を引き出すことでまともな感情と理性を奪い、誘惑して契約を結ばせる。消えない印を刻んで、一度交わした契約を破棄出来ないようにしてしまう。逃げられないようにするのは、相手が必ず逃げようとするからでしょう。
契約によって「悪魔を求める契約者の意志」を留めても、それは無理やり引きずりだした仮初の思いに過ぎず、本質的にはどこまでも否定され拒絶される。それが悪魔と言う存在だとすると、なんだか可哀相な気もしてきますね。
それでも、世界に否定されている彼等は、愚かな人間が発する刹那の希求がなければ存在出来ない。契約による魂の取引は、単なる手段ではなく、悪魔と言う存在そのものの基盤となっているのでしょう。

シエルの魂が悪魔にとって極上と評されるのは、彼が永遠の喪失という代償を充分に理解した上で悪魔を求める、研ぎ澄まされた覚悟を持つ人間だからなのではないでしょうか。契約でしか存在を肯定されない悪魔に対し、契約を冷徹かつ真摯に履行するシエルの魂はただそう在るだけで、悪魔の存在を認め、応えてくれる代物なんだと思います。実際、監督さんか声優さんのインタビューでも、「悪魔は常に飢え乾いており、唯一、シエルだけがそれを癒してくれる」という言葉があったのだとか。これは、クロードがアロイスを捨ててシエルに走った原因でもあるようですね。
つまり、同じ契約者でも、アロイスの魂では、悪魔の渇きは癒せないということになります。

【3.砂糖と塩】

あんなにクロードを求めまくっていたアロイスの魂が、契約者からの存在の希求を糧とする悪魔の渇きを癒せないとは一体どういうわけなのか。リュウのこじつけ妄想に穴があるというのが最大の原因のような気もしますがひとまず置いて、ここでは、アロイスの魂の特性に焦点をあててみたいと思います。

以前、原作者様のブログで拝見した記事には、「アロイスの魂は多分甘くて可愛らしい感じの味で、もし人間だったら、シエルよりもアロイスの方が美味しいと思うんじゃないか」といったことが書かれていました。

確かに人間だったら、捧げる愛も友情も全てをすてて復讐に突き進むシエルのような子を好きになるのって、相当覚悟がいるというか、ぶっちゃけ難しい気がします。
いや勿論、キャラクターとしての彼は多くの人に愛されまくっているわけですが、そういう意味では読者の視点は、神の、いや悪魔の視点に近しいのかもしれません。
しかし、もし現実にシエルのような子が身近にいて、本気で愛してしまったら・・・・・未来を捨てている彼とは絶対に幸せにはなれないだろうし、絶対に一番として見てもらえないわけですから、切なくて苦しくて仕方がない思いをすることになるでしょう。正に作中でその立場にいるのがリジーであるため、私は彼女が愛おしく、時折セバスチャンの後頭部を蹴飛ばしてやりたく、そして、リジーといるときに年相応の表情を見せるシエルに一抹の希望を願わずにはいられません。ああリジー!!貴方みたいに明るくて可愛くて、なのにいじらしい女の子が大好きよ!!
シエルの魂(運命と覚悟)は、人間が口にするには苦々しく、痛々しくて、とても飲み込めないものなんじゃないでしょうか。その苦味が研ぎ覚まされていればいるほどに。

対して、アロイス。
シエルに匹敵する強さと脆さを持ちながら、真逆の性質を持つ彼。
アロイスのすごいところは、絶望の淵のどんぞこのずんどこで、相手が冷酷な悪魔であるにも関わらず、最終的には憎むことより愛することを選んだ点です。それを、どこぞの悪魔どものように「愚かさ」と捉えることも可能かもしれません。
しかし、あんなにも傷だらけになって生きてきた可愛い子(超絶美少年)に 「あなただけが好き。あなただけが欲しいよ。たとえ裏切られても、あなたの愛が欲しかったんだ」なんて言われたら、下賎な人間である私は多分一も二もなく悶え苦しんで歓喜しますよ。
全身全霊を込めて一生愛しつくします。めろめろずっきゅーん(死語)です!!!甘いお菓子を与えて、子守歌を歌いながら添い寝して、流れ落ちた涙をぺろぺろして、最期にぎゅうううううっと力の限り抱きしめてあげますよ!!何があっても離さないと誓おう、ですよ!!!!!いやもう、ほんとハンナさんは、旦那様を愛する全女子の代弁者ですよね!!

かけがえのないただ一人として選ばれ、己の身を滅ぼしてでも貴方が全てだと求められる。
人間にとって、そんなアロイスの愚かで一途な愛はとっても心地よい。特に乙女心は間違いなく撃沈です。
愛に満ちたアロイスの魂は、蜂蜜よりも甘く芳しく、舌も心もとろかしてくれることでしょう。

その想いを受け取るのが、人間で、あったなら。

・・・・・重ね重ね、なんで旦那様の愛を手にしたのがクロード氏だったのか疑問でなりません。
私なら、私だったら全身全霊で愛でて愛で倒してさしあげるのに!!裁縫も料理も苦手だけど、寂しい思いだけは思いさせないようにきっちり養ってさしあげるのにっ!!(ぎりっ!!)

アロイスの魂は、悪魔の渇きを癒せない。
言い換えれば、それは悪魔であるクロードは、どれほどアロイスに愛されても満たされない、ということ。
何故なら、悪魔の飢えを真実満たせるのがシエルのように「悪魔の存在意義である契約を真摯に求め、最期の瞬間まで誠実に履行する魂」だと定義した場合、アロイスはそれに全く該当しないからです。

旦那様は、契約による限られた関係にずっと否定的な態度を示していました。
第1話。セバスチャンに屋敷の明かりを消されてしまい、暗闇におびえる旦那様は、クロードに「一人にしないで!!」と叫んですがりつきます。
セバスチャンに「薄汚れた下等な品性の持ち主」といきなり罵倒されたことを気にしている旦那様に対し、「貴方は無理に私を引きとめようとしなくてもいい」と優しく慰めるクロード。媚なんか売らずとも、契約を交わした以上、悪魔である私は「貴方を飽くまで貪りたい」のだから、と。
しかし、その言葉にアロイスはより一層暗い表情になり、「もういいよ」と、頬に添えられたクロードの手を振り払ってしまうのです。
このアロイスの態度の理由は、最終巻のOVA「蜘蛛の意図」を見るとより明らかになります。
アロイスは、「契約」という交換条件によって成り立つクロードとの関係に、ずっと不安を抱いていました。幼い頃に両親と弟と死に別れたアロイスにとっては、クロードがいつか自分の下から離れてしまうかもしれない事が何よりも恐ろしかったんでしょうね。「可能であるならその羽をむしりとり、自分の糸で絡めとってしまいたい」と願うまでに。

〝飽くまで〟は〝悪魔で〟

悪魔として旦那様を求めるクロードを、旦那様は内心受け入れていなかった。
それは、アロイスが求めたのが「契約により望みを叶えてくれる悪魔クロード」ではなく、「穢れきった何の価値もない自分の魂を価値ある物としてもとめ、傍にいてくれたクロード」だったから。
「クロード」という個体を愛するがゆえに、彼が悪魔であることを、契約を介してしか存在出来ない存在であることを、アロイスは認めたがらなかったんではないでしょうか。
アニメ本編の回想でも「悪魔め!!!」とクロードを罵倒するアロイスの姿が映し出されます。その直後に、「イエスユアハイネス・・・やっぱり言え!!」と去っていくクロードに叫ぶわけですが。契約による一時的なつながりを否定しながら、それに縋ってしまうアロイスの悲しさが浮き彫りになる場面です。

一途であるがゆえに、契約によって存在する悪魔を否定する、アロイスの愛。
本編8話でアロイスは自ら、自分の思いを「魂の味を悪くする出来損ないのソース」と称しています。そこまでちゃんと分かっているのが、ほんとね、もうね・・・・!!(涙)
しかし、クロードにとって、アロイスの愛は本当に「出来損ないのソース」だったんでしょうか。
アロイスを殺害したクロードは「たかが執事に愛を捧げる下種な魂。食欲など到底おこらぬ」と言い捨てます。そして、指輪に閉じ込められたアロイスの魂は、シエルの魂を手に入れるために利用されることに・・・・ここが納得いかないんですよ!!!

クロードは、セバスチャンとの契約により守られたシエルの魂を手に入れるために、アロイスの魂を混ぜ合わせます。一見、見捨てた魂すらも己の目的のために弄ぶ冷酷非情な悪魔の所業。ですが、セバスチャンの「まさか魂の味を濁らせるような手段を使うとは思いませんでした」という台詞から、それは本来悪魔にとっては摂るはずのない、ありえない手段だったことが推測できます。
あ、クロードは旦那様の魂を食べたくなかった、食欲以上の愛情を抱いていたから食べられず、極上の餌であるシエルに走った・・・・というのも美味しい解釈ですが、ここは敢えて「クロードはあくまで悪魔であり、旦那様のことはちゃんと食べ物として見ていた」という解釈で進めたいと思います。

もし旦那様の魂が 本当に食えもしないくらい不味かったのなら、極上の餌であるシエルの魂と混ぜたりするでしょうか。
契約が邪魔だというなら、セバスチャンをぶっ殺しちゃえば済む話のはず。クロードにはハンナさんの持つ悪魔の剣、レヴァンティンがあったわけですし。シエルをとっ捕まえるために、あれほど綿密な策略を張り巡らせることが出来るなら、セバスチャンを窮地に追い込むことなど造作もなかったでしょう。そもそも、セバスチャンはシエルに嘘をついているという盛大な弱みもあったわけですし、その辺上手く誘導すれば、わざわざ魂を混ぜるなんて面倒な方法とらなくたって、シエルと新たに契約を結べたんじゃないかと思います。
だけど、クロードはアロイスとシエルの魂を混ぜた。極上のシエルの魂の味を損ねることになってでも。 彼が惹かれたのは、「純白の穢れない魂」であるはずなのに、自らその輝きを鈍らせるような真似をした。
皆様、矛盾です。壮絶な矛盾です。
たとえるならば、最上級のトロピカルフルーツジュースに腐った青汁をミックスするようなもんですよね?
飲めないでしょう、そんなもん。おなか壊しますよ。悪魔はおなか壊さないでしょうが、その分味にはうるさいんですよね。わざわざ人間の下僕になりさがっても構わないと思えるくらいには、究極の美食家なんですよねクロードさんええおい?

ここで着目したい一つの事実。
クロード氏は、旦那様の魂を「食欲も起こらない」と言っていますが、不味いとは言っていません。

多分、セバスチャンにとってはこの上なく、それこそ腐った青汁級に不味いでしょうが。旦那様の愛情はクロードだけに捧げられているものですからね。
何より、アロイスの愛情が余計なソースでしかなかったならば、クロードはもっと早くに旦那様を見限っていても良かったはず。OVA「蜘蛛の意図」で、アロイスの愛情は本編開始前から、使用人である三つ子にだって分かってしまうくらいにあからさまだったことが判明しました。
にもかかわらず、旦那様に「あなたを貪りたい」と訴え続けていたクロード。この矛盾を解消するためには、次のような仮説が考えられます。

①「食欲など到底起こらぬ」は「食べるに値しないもの」という意味。
②しかし、その「食べるに値しない理由」は、味そのものではなかった。

貪りたい=食べたい=美味しそう。
でも、食べるべきではない。口にして、味わってしまったら大変なことになる。
クロードだけに向けられたものでありながら、悪魔であるクロードを否定する旦那様の愛情は、クロードにとってはとてつもなく甘い劇薬のようなものだったんじゃないでしょうか。
少しずつ量を増やしていけばすぐに効果は現れない。しかし、蓄積された毒は着実に心身を蝕んで行く。
いや、たとえそれ自体は毒ではなくとも、過剰な糖分は慢性疾患のもとになりますよね。

とろけるような甘さを含んだアロイスの魂は、悪魔であるクロードを死に至らしめるもの。
しかし、同時に、存在を希求されることを求める悪魔を強くひきつけてやまず、またそれが自分ひとりだけにピンポイントに捧げられた執着だったからこそ、余計に魅力的だったんじゃないでしょうか。
「昼を夜に、砂糖を塩に」変えるのがトランシーの執事。
心身を破壊するほどの甘さを含んだ砂糖水を、クロードは自らの手により、野良犬を伯爵にしたその力によって、飲めば飲むほど乾く塩水にしてしまったのかもしれません。

本編開始後のクロードさんは、旦那様によって齎された飢えと渇きが頂点に達していたんじゃないでしょうか。
OVA「蜘蛛の意図」は過去の話ですが、この頃のクロードはハンナさんに対する態度も、旦那様に対する態度にもまだかなり余裕がある感じで、悪魔然とした冷酷な笑顔も頻繁に浮かべています。
しかし、本編開始後のクロード、特に一話の頃のクロードにはその余裕が感じられません。
無表情には感情の起伏が始めからないものと、無理やり押さえ込んでいるものと二種類ありますが、9話以降のはっちゃけぶりを見る限り、クロードの旦那様に対するそれは後者のようですね。
求めれば求めるほど、強まる渇き。そんな毒物でしかない魂に、執着せざるを得ない自らへの葛藤が、彼本来の傲慢さを押さえ込み、疲弊させていたのではないでしょうか。

アロイスの魂が甘すぎる塩水だとしたら、シエルの魂は純粋に渇きを癒してくれる清水。
クロードがシエルの魂を舐めて我に帰ったのは、渇きがわずかに癒されたことで、自分が乾きまくっていることに気付いたからかもしれません。それまで求めていたものが、渇きを増すものでしかないということに気付き、これ以上捕らわれてしまう前に離れようとしたなら、その後の行動にも納得がいきます。
そのまま口にすると毒になる甘露をそれでも貪りたくて、清水たるシエルの魂で薄めようとしたというのなら。

旦那様の魂が放つ毒のような甘さは、クロードへの想いが募った分だけ強くなっていったのでしょう。
クロード氏も初めの内は、甘みが強くなって嬉しいな♪ぐらいの感覚で、自分に執着するように仕向けてしたのかもしれません。しかし、だんだん、それが麻薬レベルの中毒性を帯びたものになり、悪魔であるクロードを捕らえるほどの魔性を放つようになった。
でも、アロイスが悪魔であるクロードと、契約によるつながりを否定しているうちは、まだ自制することが出来ていたのかもしれません。しかし、第8話でアロイスは、契約の呪文を唱えたうえで「ずっと俺の傍にいろ!」とクロードに縋ってしまいました。
クロードの関心がシエルに移ったことを察したアロイスは、なりふりを構わずに愛を叫び、縋り付く。契約による関係だということを認めた上でもなお、愛を求めたこの瞬間、クロード一人だけに注がれた旦那様の思いは最高潮に達したのでしょう。
契約によるつながりを肯定したために、契約を凌駕する愛情を示してしまう矛盾。
クロードは、最高潮に達したアロイスの思いに捕らわれる前に、アロイスを殺した。
「たかが執事にそこまで・・・・」とアロイスの涙をぬぐったあたり、かなりギリギリだったのかもしれませんね。何度見返してもあの時のクロード氏の笑顔は胡散臭いのですが(爆)、嘘笑いは一瞬で見抜いたアロイスが頬を染めて喜んだのですから、たぶん、本気の微笑みだったのでしょう。

正にデッド・オア・ヘヴンのせめぎあい。どちらにせよ、結末は同じという意味で。

黒執事2期の第1話は、アロイスとクロードが契約を交わす過去の場面で始まります。
悪趣味な部屋。隣に太った醜い男(先代トランシー伯爵)が寝ているベッドから立ち上がり、窓へ向かう真っ裸のアロイス。
闇に怯えながらも、まっすぐにその彼方を見据え叫んだ言葉。
「君が欲しい!!」
その叫びに応え、舌の上に刻まれた契約の印。

設定資料によれば、この時点での契約は仮のものであり、「セバスチャンに復讐するためにシエルを手に入れる」という願いを見つけたことにより、正式に結ばれたとあります。
第8話の回想シーンでも、ルカの敵がセバスチャンであると聞かされたアロイスが「願い」をさだめた直後、色のない契約印に色が着き、軍服姿のえらそうなクロードが執事姿に早着替えしてひざまずくという場面が映し出されました。二人が主従となったのは、間違いなくこのときでしょう。

しかし、第1話冒頭の仮契約の時点でも、アロイスの舌に刻まれた契約印には鮮やかな赤い色が付いていました。演出上の都合かもしれませんが、実はこの第1話の仮契約こそが、本当はアロイスとクロードの間で交わされた真の契約だった、とも考えられます。
「君が欲しい」
復讐の相手でも、願いでもない。クロードを求める言葉。それに応えて契約印を結んでしまった。
その時点で、クロードは既にアロイスの魂に魅了されていたのではないでしょうか。
悪魔である彼は契約という限定された条件の下でしか、アロイスのものにはなれない。アロイスのものになるという願いを叶えるには、悪魔である自分を捨てなければならない。そんな絶対的な矛盾を抱えたまま。

「偽りを真実に」


************


実はクロードさんは最初から敗北していた疑惑が出たところで、次回に続く!!
色で見る~とか言っておきながら、前説明に文字数を割きすぎてしまったので分割します(汗) 

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