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「それは困りますね」
そこにシエルを片手抱きしたセバスチャンが登場。
「僕を巻き込んだ理由を聞かなかれば、引き下がれないのでな」
シエルはスラム街少年の変装のままではなく、本来のファントムハイヴ伯爵スタイルで(帽子とコートのあれ)
何で女王の番犬がここに!?とパニックに陥る大物貴族に対し、余裕の表情を浮かべるクロード。
「後始末、ご苦労。貴殿らの迅速な働きには敬意を表する。わが主もそうおっしゃることだろう」
ちなみに、このパロのクロード氏はシエル坊ちゃんにハァハァ」しません。させるものか・・・・!!!
あと、外で待機していた小物貴族の部下は全員、セバスチャンが片付けました。
「執事の言葉では敬意など感じられないな。貴様の主はどこだ。ここにいるんだろう、セバスチャン」
「ええ。そこから」
すっと指差したのは、クロードが手にしたトランク。
「坊ちゃんのお口にこびりついていたのと同じ、油切れの悪いフィッシュ&チップスの匂いが」
「は!?」
まさかの伏線(私が一番驚いたよ)
無言でクロードがトランクを開けると同時に、そこから飛び出した影がシエル坊ちゃんに激突する。
「シエル!!やっぱり俺に会いに来てくれたんだね!!」
容赦なく坊ちゃんに抱きつく基い締め上げるジム少年。
「あーもう、まじ信じられない!!肩張るし首痛いし全身何かゴリゴリするし!!おまけにこの服ずっと洗ってないんだよ?シエルにもう一度会いたいなら目印残しておけってクロードが言うからきてたけど、トランクの中に臭いがこもってもう苦しいのなんのって!!なのに、クロードもあのジジイもべらべら女みたいにくっちゃべり始めるし、お前の執事まで乱入してくるしさー!!空気読めっつうの!!ていうか、俺、トランクに入った意味ってあったの?!もークソ最悪!!」
全くですね、だん・・・ジム少年。
多分意味はない。強いて言うならクロードの(リュウの)趣味。
「あ、でもシエルは良い匂いがする★」
「離せキサマぁああああああ!!!」
ジム少年に首筋に顔をうずめられて鳥肌立てるシエル坊ちゃん。
あ、ところでだんn・・・ジム少年の体臭はフローラルの香りだと思うので、臭くて仕方がないって言うのは自己評価ですね。ご謙遜しすぎですだんっ・・・ジム少年!!
「旦那様。そのようになさるのは、些かはしたないかと」
W主人の密着度が我慢の限界に達したのか、ようやく動いたクロード氏によってシエルから引きはがされるジム少年。移った臭いに顔をしかめるシエルと、抱きつかれて乱れた坊ちゃんの衣服を淡々と整えるセバスチャン。ずっと空気の小物貴族。
「なんだよけちー。折角の感動の再会だっていうのにさ」
ぷぅっとほっぺ膨らませるアロたん。
・・・・・だめ、こんな素直可愛いアロたんアロたんじゃないっ!! でもアロたんは可愛いが正義だからいいのかなもういいよね今更だよね(※リュウ混乱中)
「お前、僕の名前を・・・」
ジム少年には「ルカ」という偽名を名乗っていたはずのシエル。
「ああ、クロードから聞いたんだよ。君の本当の名前。女王の番犬にして悪の貴族」
「シエル・ファントムハイヴ」
「最初は驚いたよ。13歳っていうのは聞いていたけど、まさかこーんなチビのガキだなんて思わなかったし」
「誰がチビだ!!」
「おまけにひ弱だし、皿一枚も運べないし、すぐ息切れするし、俺と同じはずなのに簡単に誘拐されそうになっているし」
この時、「それは貴方のせいですよね」「何のことだ?」と密かにアイコンタクトで会話する執事ーズ。
ここで完全に空気と化していた小物貴族が反応する。
「女王の番犬と、同じ?まさか、この薄汚い子供は・・・・」
ジム少年が言った〝同じ〟はあくまな執事の存在というもっと深遠な共通点を示していましたが、そんなことを一回きりのモブ悪役である小物貴族(名前すら無し)が知るわけもなく。
「随分な言い草だね。自分だって小汚いジジイの癖に。まぁ確かにこの格好じゃ仕方ないか」
くすりと笑い、冷徹な光を瞳に宿すジム少年。
「クロード」
先ほどまでの明るく無邪気な子供の面影は消えさり、薄く持ち上げられた口元は妖艶とすら言っていいほどの雰囲気を纏う。
「クソどうでもいいんだけどさ。このジジイがもう少し自分の立場を理解しやすくなるように、合わせてあげてよ」
「イエス・ユアハイネス」
薄汚れた風貌のジム少年に躊躇なくひざまずくクロード。
次の瞬間、クロードが羽織っていた黒い外套が舞い上がり、ジム少年の姿を覆い隠す。
「昼を夜に、砂糖を塩に、野良犬を伯爵に」
某本編の第1話でトランシー邸の内装が変えられたように、悪魔の手によってスラム街の少年が紫コートの旦那様に一瞬で模様替えされる。恐らく冷静に考えれば某タップに匹敵する笑いどころでしょうが、個人的にはカッコイイと思います。ぶっちゃけこのシーンのためだけにこの記事書いた。
「これぞ、トランシーの執事」
※各自、最大限思い描ける限りのクロード氏のドヤ顔をご想像ください。
大体書きたいところは書いたので、以下簡単に事情説明。
今回の事件は、小物貴族からあるものを取り戻すためにアロたんが仕組んだもの。
小物貴族は、裏社会に関わる表ざたに出来ない財産の管理の一部を任されていた。その中には「女王の蜘蛛」隠し財産も含まれていたが、3年前、先代トランシーの伯爵の死去により「女王の蜘蛛」の役目が排斥されたのを良いこと、それを横取りしてしまう。
小物貴族はあくまで財産の隠し場所を知っているだけで、鍵はトランシー家に厳重に保管されていたが、少年の「人形」を提供する関係で以前から先代伯爵と懇意にしていた例の元被害者貴族と、あるツテを使ってその「鍵」を偽物にすり替えていた。
悪の貴族の財産を横取りするのは、重大な規律違反。しかし、隠し財産の存在は先代伯爵しか知らなかったので、「女王の蜘蛛」が復活することがなければバレることはない。はずだった。
しかし、ある事情により「女王の蜘蛛」を継ぐと決めたアロイスは、まずはその証である「鍵」を取り戻そうと考え、先代伯爵の死亡前後に屋敷に度々入り浸っていた被害者貴族が怪しいと踏んで、独自に調査を進めていた。
そこで偶然、元被害者貴族が養子にした子供を始末しようとしている現場に遭遇。とりあえず助けたところ、その子供が殺されそうになった理由というのが、「接待」をした小物貴族の秘密を知ってしまったと言うものだった。この少年は、例の高級娼館で小物貴族を相手にしたのだが、そのときに、小物貴族が部屋のどこかに隠していたと思われる「あるもの」を取り出す場面を目撃してしまう。
恐らく、その保管場所はもう変更されているだろうが、その「あるもの」が「鍵」であることは間違いない。
アロイス達は、被害者貴族の元に、「鍵」を奪った小物貴族にしか意味が分からないような暗喩を込めた脅迫状を送りつけ(※高級娼館の執事をやっていたクロードの仕業 ちなみにこの脅迫状自体は小物貴族が処分した)、不安に駆られた小物貴族が動くように仕向けた。
「鍵」を小物貴族が不当に所有していることが分かれば一環の終わり。「番犬」の処分対象になってしまう。命を握られた小物貴族は、脅迫状の指定する巨額の身代金を用意するために、トランシー家の隠し財産を引き出さざるを得ず、その現場を密かに張り付いていたトンチンカンの三つ子(今回未出演)が押さえ、クロードに報告した。「身の安全」を餌に「トランシー家の隠し財産を引き出させる」ように罠を仕掛け、管理者として不適当な人間におとす。
審判者「女王の蜘蛛」としてのアロイスの初仕事。
ちなみに、シエルが巻き込まれたのは、女王の意向であることが後に判明。
新しい「女王の蜘蛛」を「女王の番犬」によってふさわしいか否か「審判」させるためだった。シエルの下した判断は〝保留〟
「女王の蜘蛛」以前に人として問題がありすぎるとか貴族の品格が感じられないとか非難ごうごう。しかし、強大な力を持っていることは確かだし、小物貴族を煽った事がイーストエンドの孤児狩りに繋がったのはあちらにとっても想定外だったらしいとはいえ、結果として不当に表社会を脅かす人身売買組織を一掃出来たので良しとした。
少しだけ、模様替え旦那様の続き。
小物貴族は、旦那様モードになった旦那様を目にして愕然としていたが、クロードが取り出したものをみて更に驚く。
「貴様、何時の間にそれを!?」
「あれ、さすがに摩り替えた張本人だから、本物かどうか分かるんだね」
小物貴族が奪った「鍵」は、トランシー家の紅い指輪だった。(指輪がどう鍵になるのかは聞かないでください)
三つ子が隠し財産の場所を見つけた時に、クロードは紅い指輪の場所も突き止め、トランシー家の偽物と摩り替えていた。
本物の指輪をクロードに指にはめられ、凄艶な笑みを浮かべる旦那様。
「この指輪は俺のもの。クロード、お前も俺のものだ」
「イエス・ユアハイネス」
この後、小物貴族はついにぷっつんしてシエル坊ちゃんに襲い掛かろうとして、セバスチャンにさっくり成敗されるんだと思います。
蜘蛛が審判を下し、番犬が断罪する。その流れになった、というわけで。
「馬鹿馬鹿しい。帰るぞ、セバスチャン」
全部アロイス(ていうか多分今回裏で糸引いていたのはクロードだろうけど)の思惑どおりになったのが大変気に食わず、不機嫌な坊ちゃん。しかし、去り際にアロイスを振り返る。
「後始末は貴様がやっておけよ、蜘蛛」
坊ちゃんアロイス認めちゃった!?(驚くなよ)
小物貴族を相手にしたときのドエスっぷりはどこjへやら、無邪気に喜ぶ旦那様。
「りょーかい★ てわけで、クロード頑張って」
自然体で他力(クロード)本願な旦那様。
そこへ、寂れた郊外には不釣合いな黒塗りの馬車が到着。
御者を務めていた女性を目にして、顔を輝かせる旦那様。
「ハンナ!!」
「お迎えにあがりました、旦那様」
旦那様の帰りが遅いので、心配して来ちゃったハンナ様。母のように微笑む女性に手を引かれ、馬車に乗り込んで旦那様は帰宅。クロード氏はまだ仕事があるので残ってると。(「お前が片付けておけ」)
セバスチャンは、迎えに来たハンナさんも悪魔であることに気付き、「あの少年は一体何者なんでしょうね」と呟いてみたりするものの、機嫌がMAXに悪い坊ちゃんに足蹴にされて、ひとまずファントムハイヴ邸に帰還。
こうして、新しい女王の「蜘蛛」と「番犬」の最初の邂逅が終わった。
~エピローグ~
トランシー邸に帰宅後、スラム街生活でのあかを落すために湯浴み中の旦那様。
以下、執事に(いやらしい手つきで)身体を洗われつつ交わされた会話。
「正当な所有物だって?ははっ、クソ笑える!!」
「聞いていらっしゃったのですか」
「そりゃ聞くよ。あんな暗いところ閉じ込められてさ。クソつまんなかったし。お前の声くらいしか気晴らしにならなかったもの。 お陰で笑いこらえるのに必死で、つまんないのなんて全部吹き飛んじゃったけどね」
笑いながら、ぱしゃっと水しぶきかけたりするはしたない旦那様。湯船になりたい。
「お前は嘘吐きだね、クロード」
「貴方の執事ですから」
「ははっ、クソむかつく。 生意気な執事にはお仕置きだ。さぁて、何をしてやろうか」
何するのかは明瞭にならないまま、話題はこの事件に関わっていたもう一人の人物へ。
実は、小物貴族に「鍵」の存在や、保管場所などを伝えたのは、アーノルド叔父様だったというオチ。
アーノルドは、先代トランシー伯爵の弟だったが、女王の蜘蛛には不適当とされたんだと思う。
小物貴族の手先だった元被害者貴族の証言でアーノルドが関わっていたことが明らかになった。
「いかがなされますか、旦那様」
「んー?別にどうでもいいよ。もう指輪は手に入ったし、女王の蜘蛛は俺だ。あいつの目的なんて、どうせ金でしょ。次に何か言ってきたら、窓から札束でも撒いて追い返してやれよ。あいつの顔を見なくて済むなら、どうでもいいからさ。適当にやっといて」
「イエス・ユアハイネス。全ての解決は速やかに・・・・・」
「今回はジジイやババアの面ばっかり拝まされてもううんざり。早く忘れたいんだよね。ああでも、あの子にはまた会いたいな。シエル・ファントムハイヴ」
場面変わって、翌日。
いつもどおりのファントムハイヴ邸の朝。
セバスチャンが差し出した新聞の朝刊を手にとったシエルは、「アーノルド・トランシー事故死」の見出しを見つける。
「甘い奴かと思ったが、なかなか一筋縄ではいかないようだな」
「彼の意向とは限りませんよ」
「同じことだ。執事の所業は主人の管轄だからな」
「アロイス・トランシー。また顔を合わせることもあるかもしれないな」
一方、トランシー家。
久々の豪勢な朝食にかえって食が進まない旦那様(庶民味覚な旦那様萌え)
そこで、クロードがすかさず、旦那様の好物である油切れの悪いフィッシュ&チップスを差し出す。
文句を言いつつも、それを口にする旦那様。
フィッシュ&チップスを包んでいる新聞紙は、今朝の朝刊だった。
IFシリーズ第1話・完
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全員・全部・別人じゃないか!!いや楽しかったけれど超楽しかったけれど!!
旦那様が丸い。丸すぎる・・・orz
ああだめだ!!私の中の旦那様可愛い可愛い旦那様という思いがどうしても反映されすぎて別キャラに・・・・誰か残虐カッコイイ旦那様を想像する力を私にください。
執事の扱いがナチュラルに酷い件は黙秘します。
とにかく、こんな色物記事にここまでお付き合い、ありがとうございました!!
余力があったら、第1回ほど詳細は決まっていませんが最終回のプロットと、まだ明かしていない設定とかも書いちゃうかもしれません。
先に謝っておきます。ごめんなさい!!!